人を選ばない

人を選ばない

誰からも広く好まれて愛されるタイプの人はいるものです。おそらくそういったタイプの人は常に笑顔を絶やすことなく、ネガティブな発言は少ない代わりにポジティブな考え方が基本型となっているのではないでしょうか。人の好き嫌いはあまりないはずです。壁のある雰囲気は決して作りません。誰の気持ちも引き付ける魅力を持った人というのは、その人自体が明るく華やかであり、他者に対する親近感を常に持ってくれている人なのです。

このように誰からも好かれる人というのは存在しますが、それは人でなくても同じような事が言えます。例えば、多くの人から好まれるものと言えば甘いスイーツがありますが、スイーツの中にも人を選んで好まれるものと広く一般的に好まれるものとで分かれるはずです。仮に、とても甘くて濃厚な味わいのスイーツがあるとします。大の甘党で甘いものならば何でも好きだと言う人達からは、これ以上ない程の極上の一品としてひたすらに好まれることでしょう。しかし、強すぎる甘味や口に残るほどの濃厚さというものは人を選びます。甘いものは好きだけれど、甘すぎるものになると話が変わってくるという人も中にはいるでしょう。さっぱりとした甘さが好きな人にとっては濃厚すぎるこってりとした味わいは少し遠慮したいものになるかもしれません。

人を選ぶスイーツはある一部の層からは絶大な人気を得るかもしれませんが、それ以外の人達からは若干距離を置かれやすいものになってしまいかねません。その一方で誰からも満遍なく愛されるスイーツというものもあります。パンケーキなどは正に、愛されスイーツの代表格でしょう。パンケーキの姿を想像しようとしてみた時、頭の中に湧き起こる姿形は人によってそれぞれ違うはずです。程よいきつね色の生地にパターとシロップがかかったシンプルな姿から、フルーツや生クリームを添えてお洒落に着飾った姿まで、その人によって思い出す印象が異なるのです。パンケーキのベースは大体どこも変わりはありません。ほのかな甘い香りにしっとりとした生地があり、そこからどのようにアレンジしていくかで最終段階としての姿が決まります。

パンケーキはある人にとってはシンプルなおやつであり、また、ある人にとってはお洒落なカフェスイーツなのです。見る人の目によってその形は異なりますが、生地はどれも同じで素朴な優しい味わいがあるのではないでしょうか。誰に対しても壁を作らないため、苦手意識を抱かせません。その人の好みに合わせて生地でもトッピングでもアレンジができるスイーツなのです。どんな人からも好まれるからこそ、パンケーキは変わらぬ人気を誇っていられるのでしょう。